研修設計 / 人材育成ご担当の方へ / 事務局の学び
研修の効果は、研修の中では決まらない。89本の研究が示したことと、事務局ができる3つの小さな手
人材育成のご担当の方に、一つだけ覚えて帰っていただきたい研究があります。2010年に発表された、89本の研究をまとめたメタ分析です。結論を一言で言うと、研修で学んだことが職場で使われるかどうかは、研修の中身よりも、職場の環境で決まる。とくに、上司が支えるかどうかです。
講師として、認めにくい事実
正直に言うと、講師にとってこれは認めにくい事実です。私は研修の中身と当日の場づくりに全力を注いでいます。それでも、受講者が職場に戻ったとき、上司が「研修?ああ、行ってたね」で終わらせれば、効果は数週間で薄れます。
逆に言えば、研修の外に少しだけ手を打てば、同じ研修の効果が何倍にもなる。講師にはできないことが、事務局の方にはできます。
事務局ができる、3つの小さな手
1つ目は、研修の前に、上司に一言入れてもらうことです。「来週の研修で、○○について学んでくる。戻ったら、□□の場面で使ってみてほしい」。この一言があるだけで、受講者の研修の受け方が変わります。
2つ目は、当日の持ち帰りを1つにすることです。研修の最後に、受講者一人ひとりに「明日やること」を1つ決めてもらい、それを上司に伝える宿題にする。10個学んで0個やるより、1個学んで1個やる方が、職場は変わります。
3つ目は、1か月後に、同じ質問をもう一度することです。研修の前に上司に「この部下に期待すること」を聞いていたなら、1か月後に同じことを聞く。変わったところと、変わっていないところが、1枚で見えます。
「測る」と言わない方がいい理由
ここで一つ注意があります。この3つを「研修の効果を測定します」と言って始めると、たいてい止まります。数字が出ると、誰の責任かという話になるからです。
私が建設会社の管理職研修でやったときは、「測定」という言葉を使いませんでした。上司から本人への手紙、という形にしました。中身は同じでも、受け取られ方がまったく違います。
明日からの一歩
次の研修で、3つ全部やる必要はありません。まず1つ目、上司からの一言だけ試してみてください。費用はゼロ、手間は上司1人あたり2分です。それで受講者の顔が変わるなら、2つ目に進む価値があります。
どの手が御社で通りそうかは、組織によって違います。最初の打ち合わせで、御社の上司の方がどこまで動けそうかをうかがってから、一緒に決めます。
研修をご検討の方へ
できること・できないことは、最初の打ち合わせでお伝えします。その中で最善を一緒に作ります。

