管理職研修 / 事前課題 / 研修の現場
事前課題を全部読んで、当日の質問に全部答えたら、全ペアから質問が出た。医療機器メーカー2日間の話
医療機器メーカーで、中堅社員の方30名に2日間の研修を担当したときの話です。平均年齢44歳。部署は研究、製造、営業とばらばらです。この研修で起きたことを、事務局の方が後日こう言ってくださいました。「全ペアから具体的な質問が出たのは、私もびっくりでした。特に初日」。今日は、その裏側を書きます。
打ち合わせで、その場で決まった事前課題
研修の1か月ほど前の打ち合わせで、私はこうお願いしました。「事前に、現場の具体的なお困りごとをいただけると、当日の演習をそこに寄せられます」。事務局の方の返事は早かった。「それ、事前課題にします?」。その場で3問が決まりました。
部署がばらばらで30名。正直に言うと、一人ひとりに合わせるのは無理だと思っていました。でも、事前課題があれば、30人分の「困りごと」が手元に届きます。
全部読む
届いた30人分を、私は全部読みました。研修の前に。当たり前のことのようですが、ここを本当にやるかどうかで、初日の最初の10分が変わります。
初日の冒頭、私はこう言いました。「皆さんの事前課題は、全部読んできました」。これは宣言です。真剣に来た、ということを最初に伝える。受講者は、講師が自分の書いたものを読んでいるかどうか、すぐに見抜きます。
全部答える
演習のあいだ、私は机をまわります。そして出た質問には、その場で全部答えます。「あとでまとめて」にはしません。質問が出た瞬間が、その人が一番聞く気になっている瞬間だからです。
初日、ペアワークのあとに質問を募ると、全ペアから手が挙がりました。しかも、「うちの部署では、こういう場合は」という具体的な質問ばかり。事前課題で自分の困りごとを言葉にしていたから、質問が具体になる。具体な質問には、具体に答えられる。この循環が、2日間ずっと続きました。
どこが大変だったか
全部答えると、時間が押します。実際、押しました。私は事務局の方と途中で連携して、後半の演習を一つ削り、質疑の時間に振り替えました。やった演習の数は減りました。でも、受講者が持ち帰ったものは増えたと思っています。この判断は、毎回その場でします。正解は一つではありません。
事務局の方へ、一つだけ
研修のあと、受講者の方々から「事前課題をまとめた資料が欲しい」という声が多かったそうです。理由は、「上長に、こういう研修を受けてきました、と報告したいから」。
事前課題は、講師のためのものだと思われがちです。違いました。受講者が自分の言葉で困りごとを書くことで、研修が自分ごとになり、上司への報告の材料にもなる。3問で十分です。最初の打ち合わせで、御社に合う3問を一緒に考えます。
研修をご検討の方へ
できること・できないことは、最初の打ち合わせでお伝えします。その中で最善を一緒に作ります。

