ONE DAY JAPAN 株式会社ワンデイジャパン

失敗談 / 研修の現場 / 事務局の学び

私の研修は、時間が押す。予定どおりに終わることと、受講者が持ち帰ることのどちらを取るか

研修講師の、少し恥ずかしい話を書きます。私の研修は、時間が押します。今年も、ある2日間の研修の初日に、1時間押しました。事務局の方と途中で連携していたので事故にはなりませんでしたが、正直に言うと、これは遅刻です。

なぜ押すのか

理由は分かっています。私の研修では、質問が出るからです。冒頭で目的をそろえ、事前課題を全部読んで入り、演習のあいだに机をまわる。そうすると、受講者の方は「自分の仕事ではこうなんですが」と聞いてきます。これは、研修がうまくいっている証拠です。

そして私は、出た質問には徹底的に向き合います。「あとで」にしません。その人の仕事に置き換えて、使える形で返す。一つひとつは正しい判断でも、積み重なると時間が消えます。受講者のためにやっていることが、時間を奪う。ここが、この問題のやっかいなところです。

予定どおりに終わることは、目的ではない

ここで、私が自分に言い聞かせていることがあります。時間どおりに終わることは、もちろん大事です。でも、予定どおりにやることが目的になってはいけない。目的は、受講者が本当に学び、価値を持って帰ることです。

だから私は、その場で濃淡をつけます。ある演習で、ここをもう一段深く掘った方が、全員にとって良いことが起きる、持ち帰るものが増える。そう見えたら、掘ります。その代わり、同じ内容を学ぶために用意していた演習が3つあれば、2つにする。深く掘った分、横の数を減らす。

誤解のないように書いておきます。大事なパートを飛ばすことは、しません。用意した演習をばさばさ切ることも、しません。扱う項目は、全部扱います。変えるのは、どこに時間を厚く使うかという強弱だけです。

いまやっている手当て

とはいえ、押していいわけではありません。やっていることが三つあります。

一つ目は、バッファを最初から、太く入れておくことです。3分、5分ではありません。午前中に10分級のバッファを一つ、午後にもう一つ、そして一番最後に逃がし場所を一つ。合計すると、1日のどこかに30分ほどの余白があります。質問に向き合う時間は、ここから使います。大体の場合、きれいに使い切って終わります。

二つ目は、強弱をつける前提で設計することです。同じ学びのための演習を複数用意しておき、当日の受講者の様子で、深くやる方を選ぶ。削るのではなく、選ぶ。

三つ目は、事務局の方と「押したときの約束」を最初の打ち合わせで決めておくことです。会場を何時まで押さえているか、懇親会はあるか、どの演習なら薄くしていいか。これがあると、当日に押しても、その場で一緒に着地できます。

事務局の方へ

講師が時間どおりに終わるかどうかは、講師の腕だけでなく、事務局と講師の間に「押したときの約束」があるかどうかで決まります。私のように質問に向き合い切る講師を使うときは、最初の打ち合わせで、どこに余白を置くかを一緒に決めてください。それが、受講者を守る一番確実な手です。

時間が押すこと自体は、私はもう直らないと思っています。質問が出る研修をやめるつもりがないからです。その代わり、余白の置き方と強弱のつけ方で、受講者の時間を守る。そう決めています。

研修をご検討の方へ

できること・できないことは、最初の打ち合わせでお伝えします。その中で最善を一緒に作ります。

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この記事を書いた人 飯田 ケント
株式会社ワンデイジャパン 代表取締役。企業研修講師。17年、プライム上場企業を中心に年100日以上登壇。論理的思考と課題解決が専門。

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