ONE DAY JAPAN 株式会社ワンデイジャパン

講師の考え / 一期一会

私が研修の一日を「一期一会」と呼ぶ理由。シャンシャンで終わらせると、あとで自分が苦しい

研修の資料の2枚目に、私は毎回同じスライドを入れています。「一期一会の出会いが、未来をつくる」。見た方は、きれいな言葉だと思うかもしれません。でも私にとっては、きれいごとではなく、自分を縛るための言葉です。今日はその話を書きます。

一日は、一度きり

企業研修は、ほとんどの場合、受講者と私が会うのはその一日だけです。翌年、同じ会社に呼んでいただいても、受講者は別の人です。つまり、その日の24人、その日の空気、その日の質問は、二度と戻ってきません。

年間100日以上登壇していると、正直に言えば「今日は無難に流しても、誰も困らない」という日を作ろうと思えば作れます。資料どおりに話し、時間どおりに終わり、アンケートもそれなりに取れる。私はこれを「シャンシャンで終わらせる」と呼んでいます。

シャンシャンで終わらせると、何が起きるか

私がシャンシャンをやらないのは、受講者のためだけではありません。自分のためです。

無難に流した日は、帰りの新幹線で、しこりのように残ります。「あの人の質問、もう少し踏み込めた」「あのグループ、本当は分かっていなかった」。そのしこりは、消えません。翌週も、翌月も、ふとした時に出てきます。そして、次の研修で自分を信じられなくなる。

逆に、目の前の一人に手を抜かず、ちゃんと向き合って、出せるものを全て出した日は、気持ちが落ち着いています。自分が全部出したかどうか。それで、しこりが残るか残らないかが決まります。

だから、決めていること

受講者の方が、現場で使うイメージを持てるまで、全力で向き合う。当日の質問には、全部答える。事前課題は、全部読んでから教室に入る。この三つは、どの研修でも変えません。

「全力で向き合う」は、熱く語ることではありません。演習のあいだに机をまわって、一人ひとりの答えを見ることです。「全部答える」は、知っていることを話すことではありません。その人の仕事に置き換えて、使える形で返すことです。地味な作業の積み重ねですが、ここに手を抜くと、一期一会は言葉だけになります。

受講した方に、こう思ってほしい

研修の終わりに、私が一番うれしいのは、「今日、参加してよかった」と受講者の方が思ってくださることです。「いい話を聞いた」ではなく、「自分の仕事で、明日これをやろう」と一つ決めて帰ってくださること。

一期一会は、出会いを大切にしましょう、という話ではありません。二度と来ない一日を、相手の未来に少しでも効く一日にする、という約束です。私は、その約束を毎回自分と結んでから、教室に入ります。

講師について

17年、企業の現場で研修をしてきました。経歴と実績はこちらです。

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この記事を書いた人 飯田 ケント
株式会社ワンデイジャパン 代表取締役。企業研修講師。17年、プライム上場企業を中心に年100日以上登壇。論理的思考と課題解決が専門。

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